近年、多くの方が投資に関心を寄せ始めていますが、特に初心者の方から「NISAとiDeCo、どちらを始めるのが良いの？」という質問をよく受けます。この記事では、それぞれの制度の違いをわかりやすく解説し、どちらが自分に合っているかを見つけるためのヒントを提供します。
NISAとiDeCoの共通点:非課税制度
まず、NISAとiDeCoの最も大きな共通点は、どちらも「非課税制度」であるということです。通常、投資で得た利益には20.315%の税金がかかりますが、NISAとiDeCoを利用すれば、この税金が免除されます。
ただし、非課税で投資できる金額には上限があります。NISAでは年間360万円まで、生涯で1,800万円まで投資できます。iDeCoの場合は、働き方によって異なりますが、毎月12,000円から68,000円までの範囲で掛け金を設定できます。
NISAとiDeCoの違い:目的、流動性、手数料
ここからは、NISAとiDeCoの主な違いについて見ていきましょう。
- 目的:
- NISA: 資産形成を目的としており、比較的自由な資金運用が可能です。
- iDeCo: 老後資金の形成を目的としており、原則として60歳まで資金を引き出すことができません。
- 流動性:
- NISA: いつでも売却して現金化できます。急な出費が必要になった場合でも対応しやすいのがメリットです。
- iDeCo: 原則として60歳まで引き出しができません。老後資金として確実に貯蓄したい場合に適しています。
- 手数料:
- NISA: 金融機関によって異なりますが、無料のところも多いです。
- iDeCo: 加入時や毎月の口座管理に手数料がかかります(月額171円程度)。
- 掛け金控除:
- NISA: 掛け金に対する税制優遇はありません。
- iDeCo: 掛け金が全額所得控除の対象となり、所得税や住民税を軽減できます。
| 項目 | NISA | iDeCo |
|---|---|---|
| 目的 | 資産形成 | 老後資金 |
| 年間投資上限額 | 360万円（生涯投資上限額1,800万円） | 働き方により異なる（月12,000円～68,000円、今後増額予定） |
| 払出制限 | いつでも可能 | 原則60歳まで不可 |
| 手数料 | 金融機関による | 加入時・口座管理手数料（月171円程度） |
| 税制優遇 | 投資益非課税 | 掛金全額所得控除、運用益非課税、受取時控除 |
| 最低投資金額 | 金融機関による（100円～） | 5,000円 |
NISAがおすすめな人
もしあなたがNISAとiDeCoのどちらを選ぶべきか迷っているなら、まずはNISAから始めることをおすすめします。なぜなら、NISAはiDeCoに比べて制度がシンプルで理解しやすく、少額からでも始められるからです。
特に、以下のような方にはNISAがおすすめです
- 投資初心者で、まずは投資を体験してみたい
- まとまった資金が必要になる予定がある
- 流動性の高い資産を保有しておきたい
- iDeCoの制度が複雑で理解しにくい
まずはNISAで少額の投資信託を積み立ててみて、投資の感覚をつかんでみましょう。投資にはリスクが伴いますが、「一時的に資産が減っても大丈夫」と思える金額から始めることが大切です。
まとめ
NISAとiDeCoは、どちらも非課税制度ですが、目的や流動性、手数料などに違いがあります。どちらを選ぶべきかは、あなたのライフプランや投資経験によって異なります。もし迷ったら、まずはNISAから始めて、投資に慣れていくのがおすすめです。
