新NISAの相続!亡くなるとどうなる?

新しい少額投資非課税制度(NISA)が2024年1月に始まって約1年10カ月。30代など資産形成層のほか高齢層でも利用が増えている。非課税枠の期限が無期限となり、老後資金を取り崩しながら高齢期も一定程度の運用を続けて資産を長持ちさせたいニーズに沿う面があるためだ。NISAで運用する親などが亡くなると相続はどうなるのか。基本と注意点を知っておこう。

高齢層でもNISA利用が拡大

金融庁の調査によると、70歳以上のNISA口座数は24年12月末で計438万と23年末に比べ9%強増え、商品残高も計6兆3000億円と44%増加した。口座数の増加率は18年以来6年ぶりの大きさ。口座数は直近の25年6月末で457万とさらに増加した。専門家は「相続が発生しやすい高齢層にもNISAの裾野が広がりつつある」と指摘する。

NISA口座は相続人の口座に移管できない

相続でまず知っておきたいのは、被相続人(故人)がNISAで運用していた株式や投資信託などの資産を相続人のNISA口座に移管できないこと。相続人が故人の死亡を金融機関に連絡すると、原則として死亡日の終値で故人のNISA口座から課税口座に払い出される扱いとなる。

非課税のメリットは死亡日まで適用

NISAでは売却益や配当などの運用収益が非課税となり、故人が死亡した日まで適用される。例えば故人が500円で購入した株式が死亡日に1000円に値上がりしていれば、含み益は500円となる。課税口座に払い出すときに実現した利益の500円は約20%の所得税などがかからず、非課税の恩恵を受けることができる。

相続人の誰が引き継ぐかが決まると、資産は故人の課税口座から相続人の課税口座に移管される。相続人の取得価格は故人が死亡した日の終値が適用され、このケースでは1000円だ。相続人が1300円で売却すれば取得価格との差額300円に課税される。

NISA口座か課税口座かで取得価格が異なる

ある税理士は昨年秋、50代の男性会社員から相続した株式などを売却する際の注意点について相談を受けた。父はNISA口座で個別株を計数百万円、特定口座で個別株や投信で計1000万円弱を保有していた。

重要なのは「故人が購入したのがNISA口座か課税口座かによって、相続人の取得価格が変わること」だ。NISA口座の場合は死亡日の終値が相続人の取得価格になるが、課税口座なら購入価格が取得価格になる。

課税口座の場合の注意点

例えば故人が500円で購入していれば、500円が取得価格だ。相続人が1300円で売却すると差額の800円に所得税などがかかる。故人が死亡した日の終値が1000円の場合、購入価格との差は500円の計算だ。ただし含み益であるため、故人は所得税などの負担は発生しない不課税として、課税繰り延べの扱いになる。

相続手続きの流れ

NISA口座を相続する際の手続きも押さえておこう。相続人が死亡の連絡をすると、金融機関から「相続上場株式等移管依頼書」のほか、NISA口座を所有していた場合は「非課税口座開設者死亡届出書」などが送られてくる。故人が死亡したことを示す除籍謄本、相続人の戸籍謄本や印鑑登録証明といった書類も添えて返送するのが大まかな流れだ。

相続人は故人と同じ金融機関に課税口座を持っていることが必要。口座がなければ、死亡連絡をするとともに口座開設の手続きを始めると移管が円滑に進みやすい。

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